※本編のネタバレあります。未読の方はご注意くださいm(__)m
こんにちは、たまやんです。
さて、今回はSkybound版トランスフォーマー♯2の感想と考察、キャラ語り(TF中心)を書いていこうと思います。
名称は全て海外版で統一しています。
出典:Image Comics『Transformers』#2 著.Daniel Warren Johnson他
【あらすじ】
オートボット一行と地球人のスパイク、カーリーはディセプティコンから間一髪で逃げ切り、放棄された採石場に身を隠すことになる。ラチェットはアークから連れてきた仲間たちの修理に取り掛かる一方で、リーダーのオプティマスプライム(以下オプティマス)はスパイクと交流を深めていく。
時を同じくして、アークを強奪したスタースクリームとスカイワープ、サウンドウェーブたちはテレトラン1の修復に必要なエネルギーを確保するために、再び地球人の発電所を襲う。
【本編の感想・考察】
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「オプティマス、地球を知る」
第2話の冒頭は、オプティマスが地球の自然に感嘆するシーンから始まります。1話の終盤から2話にかけてかなりの時間が経過したようです。恐らく、夜明けから正午までラチェットは仲間たちの修理に専念している間、オプティマスはアークの様子を見に行くついでに採石場の周辺を散策、という感じです。
地球の自然が美しいあまり、彼は足元にいた鹿をうっかり踏んでしまいます。オプティマスは「オォウ…ジャァズ…」と落ち込んでいるようですが、そこにスパイクが声を掛けます。「気にしなくて、大丈夫だよ」と。まるで、父親を励ます息子のようです。
出典:Image Comics『Transformers』#2 著.Daniel Warren Johnson他
この鹿を誤って踏む描写を挿れたのは、オプティマスの善良な性格を表す一方で、1話でのスタースクリーム(及びディセプティコン)の残虐性を際立たせるための演出なのかもしれません。
さらに、この演出により、TFも地球人と同じく生き物を殺めて、心を痛める感性があることを読者に示唆している気がします。
流石、マトリクスに選ばれた男オプティマスプライムです。地球に来たばかり(?)だと言うのに、地球のことを知ろうとする姿勢に感服します。
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「サイバトロン星」
スパイクよ、宇宙人(オプティマスたち)を受け入れるの早過ぎやしませんか?(困惑)
いくら命の恩人だからと言って、フレンドリー過ぎます。普通に宇宙人と友達になろうとするスパイクくん。もしかしたら彼は宇宙人とかUFOとか、そういうのを前々から信じていたのでしょうか?まるで『Xファイル』のモルダー捜査官です。
それはさて置き、スパイクの登場によりオプティマスの口からサイバトロン星やオプティマス自身のことが語られます。箇条書きにすると、
- サイバトロン星は全て金属で出来ている。
- 自分の名前である「プライム」は、オートボットの先代のリーダーから受け継いだ。そして、今の名前を自分で考えたものではない。
- 父親、母親という言葉はないものの、「家族」という概念はある。後にラチェットの台詞から仲間たちを兄弟姉妹と呼んでいる。
- オプティマスが生まれる前の千年間は平和だった。彼が生まれてから戦前までの繁栄した期間は短かった。
- オートボットの犠牲者は後を絶たず、生き残った少数の者たちと一緒に故郷を取り戻す方法を探すために、宇宙船アークでサイバトロン星を出立(?)(ここら辺はdeepLの翻訳でも、海外のTFwikiで内容を確認してもイマイチ分からず…)
流石にオプティマスの台詞だけでは、今作のオートボットとディセプティコンが何故長きに渡って争うこととなったのか、全く分かりません。
メガトロンは欲望と権力に溺れたために戦争を始めた(?)ようですが、その動機が破壊大帝にしては幼稚とも言えるもので、やや抽象的です。
戦争を引き起こした全ての元凶はディセプティコンであるようなことを、オプティマスはスパイクに語っていますが、あくまでオートボット側の主観ですよね?
私としては、ディセプティコンが悪とは一概に言い切れない気がします。メガトロンが戦前のサイバトロン星で憎しみを抱くきっかけがあったと考えられます。
長くなりそうなので、別の記事で今一度、今作の「オートボットとディセプティコン」について考察したいと思います。
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「クリフジャンパー」
まさかのクリフジャンパー君(以下、クリフ)が、脇役から主役級に昇格です。
ライター兼作画担当のジョンソン氏は、我々TFファンの期待を裏切ってきます。良い意味で。
今作のクリフは一見すると、血気盛んな若者かと思いきや、意外とビビり屋みたいです。スパイク、カーリーと初対面した時のクリフの反応が、ネズミに出会った某ネコ型ロボットみたいで笑えます(笑)。
サイバトロン星にはturborat(ターボラット)という生物が存在するようで、クリフはスパイクとカーリーを見て「めちゃ小ちゃい!キモイっ!」と過剰に怖がります。過去にturboratに自分の耳を齧られたのでしょうか?
出典:Image Comics『Transformers』#2 著.Daniel Warren Johnson他
カーリーから「私たちより大きいくせに、なにビビってんのよ!(要約)」とピシャリと言われ、大人しくなるクリフ君。これを機にクリフとカーリーは友達になります。
クリフとカーリーは実写版『バンブルビー(2019)』の主人公のチャーリーとバンブルビーのオマージュだと思います。久しぶりのロボット×女の子のバディもの。私としては嬉しい組み合わせです。
それにしても、今作のTF人類も初代と同様に色々とお強いです(笑)。
出典:Image Comics『Transformers』#2 著.Daniel Warren Johnson他
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「オートボットの乗組員について」
ディセプティコン側がエネルギー源の確保で四苦八苦しているのなら、オートボット側はそれよりもヤバい状況ですよね。
宇宙船とテレトラン1をスタースクリームたちに奪われ、オプティマスたちは無人島でサイバル生活を強いられているようなものです。
ですが、軍医のラチェットは有能な男であることが窺えます。放棄された採石場にあった金属材とオプティマスのトレーラー、ジェットファイアーが残したサイバトロン星のテクノロジーで、どうにかクリフだけを修復。
多分、ラチェットとしてはホイルジャックを先に復活させたかったはずですが、クリフのようなミニボットの修理しかできない量のエネルギーだけあったようで…。
クリフがどれほどの戦闘力を誇っているのか分かりませんが、戦闘特化のディセプティコンに対抗するなら、クリフよりもブローンの方が良かったのでは?と個人的に思わなくもないです。
2話時点でオプティマス、ラチェットとクリフ以外のオートボットを複数体確認することができます。
1話ではジャズ、アイアンハイド、プロール、ウインドチャージャー(っぽいボディ)とハウンド(っぽい腕)が確認できます。
2話ではブローンとプロールの同型機?の腕がありますが、恐らくブルーストリークのものと思われます。
また、ラチェットの「兄弟・姉妹たちを〜」という台詞からウーマン型が数人いるようです。
出典:Image Comics『Transformers』#1 著.Daniel Warren Johnson他
出典:Image Comics『Transformers』#2 著.Daniel Warren Johnson他
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「人望がないニューリーダー(笑)」
ディセプティコン3人は再びスパークプラグ(以下、スパーキー)のいる発電所を襲撃します。
サウンドウェーブはスタースクリームに「お前の言う通りだった。ここはエネルギー資源の宝庫だ(意訳)」と言います。一方、スタースクリームは不満を漏らし、「お前らに必要なエネルギーを持ち帰ったのに、俺様を信じてなかったのかよ?(意訳)」と彼に言い返します。
2人の会話から、スタースクリームはサウンドウェーブからの信頼がないことが分かります。
さらに、サウンドウェーブは発電所に向かってくる米軍の戦闘機を妨害するようスカイワープではなく、スタースクリームに指示します。たぶん「お前は邪魔になるから、あっちへ行ってろ」という意味で、スタースクリームを厄介払いしたのだと思います(苦笑)。
ちなみにTF wikiによるとスタースクリームとドッグファイトした戦闘機はf-18のようですね。
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「スパーキーの精神面、大丈夫そ?」
スパイクの父、スパーキーの精神面が心配です。
もう1人の息子のジミーのこと、仕事の同僚であったデイヴィー(のちにカーリーの父親と判明)や他の人たちがスタースクリームたちによって斃されていく様を目の当たりにすれば、PTSD発症してもおかしくありません。もしくは、既に発症しているのかも…?
普通の人なら精神的ショックで茫然自失に陥るところですが、スパーキーは何かを決意した面持ちで、パトカーでデイヴィーの家に向かいます。
しかも勝手に彼の家に上がり込み、何処かから緑色の軍服とヘルメット、小銃や手榴弾などを引っ張り出してくる有様です。格好からして、やっぱりベトナムですかね?手前の黒い小銃はM16、背中の小銃はM14と思われます。
出典:Image Comics『Transformers』#2 著.Daniel Warren Johnson他
ここで、かつてスパーキーとデイヴィーは(恐らく)ベトナム戦争に参加した戦友同士であったと考察できます。やはり経済的理由で2人は已む無く戦争に参加or強い正義感から参加したのでしょうか?
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「squishyをなんて訳す?」
内容の感想・考察から少し外れるのですが、私はdeep LでアメコミTFを読んでいます。
いくら精度の高い翻訳機を使用していても、未だに変な日本語翻訳に当たる時があります。でも、昔に比べたら遥かに良くなってはいますけど…。
今回はsquishyという単語(形容詞)をどう翻訳する?問題です。
このsquishyはスタースクリームたちが地球人たちを蔑視した呼称です。直訳するとフニャフニャ/グニャグニャした、などという意味になります。
正直、そのままsquishyを「スクイシー」と訳しても良いと思いますが、個人的にはその翻訳は稚拙かなぁ、と。
skybound版はマーベルコミック版(邦題:トランスフォーマークラシックス)を所々リスペクトしています。やっぱりここはマーベル版の邦訳に則って「肉ケラ」と訳すのもアリですね。
他に候補を挙げるとしたら、もうsquishyの意味自体は関係なく、「ウジ虫野郎」や「チビ」、「雑魚」でも良いかなと(笑)。
【キャラ語り(TF中心)】
【オプティマスプライム】
今回は、サイバトロン星について語る役回りでした。
しかし、気がかりなのは何故オプティマスは「プライム」の名前を前任者から引き継ぐことになったのか疑問です。
そもそも彼の前任者は誰なのか?やっぱりセンチネルプライムでしょうか?
【スタースクリーム】
オートボットやスパーキーとカーリー、その他大勢から恨みを買いまくるのも、ある種のスタースクリームの才能だと思います。
念願のディセプティコンのニューリーダー(笑)になったのは良いものの、肝心の部下からの信頼がないのは駄目ですねぇ…。完全に立ち位置がサウンドウェーブのパシリなんですよ…。
あと悪口ではありませんが、見た目はカッコいいのに、なんか間抜けなんですよね。
【スカイワープ】
「chug! chug!」と嬉しそうに言うスカイワープ。可愛いです。ただ、スタースクリームやサウンドウェーブと比べたら台詞が少ないため、スカイワープのキャラクター性がイマイチ掴めません。ですが、喋り方はガラが悪すぎるいじめっ子(小学生)って感じがします。
出典:Image Comics『Transformers』#2 著.Daniel Warren Johnson他
【サウンドウェーブ】
ディセプティコンのニューリーダーは、最初からスタースクリームよりサウンドウェーブの方が良かったのでは?地球でのサバイバル生活で、今は何をやるべきかを理解し、行動するあたり、実質リーダーはサウンドウェーブですよ。
最初に目覚めたTFがスタースクリームなだけで、メガトロンが居ないから取り敢えずアイツをリーダーにしようという流れで決めたと思います。
【ラチェット】
スタースクリームたちによって、オートボットはある意味で無人島でサバイバル生活を送る羽目になった訳ですが、ラチェットが居なかったら物語が終わっていたことでしょう。
マーベル版でも、ラチェットはオートボットが壊滅状態の中で、メガトロンと手を組み危機的状況を見事に打開する熱い活躍を見せてくれました。
【スパークプラグ】
彼は何歳なのか、作中で明言されていないので分かりませんが、多分40代ぐらいです。
ベトナム戦争にアメリカが介入したのは1960年辺りからです。今作の時代設定が1980年代後半と仮定して、 1960年の頃にスパーキーは20歳前後でベトナム戦争に参加したと考えられます。
彼が戦争に参加した動機としては、死別した妻とまだ産まれて間もなかった息子のジミーを養う為に戦争に参加したと考えた方が妥当です。
スパーキーはベトナム戦争によってPTSDを患っていてもおかしくありません。1話冒頭の意味深な描写は、彼の夢で間違いないと思われます。未だに戦争のトラウマとジミーのことを引き摺っているのでしょう。
スパーキーが再びベトナム戦争の軍服と武器を手に取ったのは、自身のトラウマを克服する為だと思います。もうこれ以上、目の前で大切な人たちを失いたくない!という気持ちが勝り、あの決意に満ちた表情をしたのかな?と私は妄想しています。
【メガトロン】
2話にてちょい役で登場しました。オプティマス曰く、ディセプティコンはサイバトロン星上では過激派とのことですが、何故メガトロンは戦争を起こしたのか…。すごく気になります。
【参考資料】
- Image Comics『Transformers』#2
- Transformers (2023) issue 2 - Transformers Wiki
- wiki「ベトナム戦争」https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%25E3%2583%2599%25E3%2583%2588%25E3%2583%258A%25E3%2583%25A0%25E6%2588%25A6%25E4%25BA%2589